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福岡地方裁判所 昭和32年(レ)143号 判決

八幡市大字前田一三四九番地

控訴人

光土木株式会社

右代表者清算人

乙藤義夫

東京都千代田区霞ケ関

被控訴人

右代表者法務大臣

唐沢俊樹

右指定代理人法務事務官

堤武四郎

右当事者間の昭和三十二年(レ)第一四三号売掛代金請求控訴事件について当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴代表者は「原判決を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする。」との判決を求め被控訴指定代理人は主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張は、被控訴指定代理人において、控訴会社は昭和三十二年五月二十日解散し、同年六月一日解散登記をなして目下清算中であり、清算人としてもと控訴会社代表者乙藤義夫が選任されている。なお訴外株式会社第一工業所に対する債権差押の通知は昭和三十一年九月二十一日附となし、該通知書はその頃到達していると釈明附陳し、控訴代表者において、右釈明事実はすべてみとめるが、目下手許不如意のため全額一時支払の請求には応じかねる、と述べた外、すべて原判決事実摘示と同一であるのでここにこれを引用する。

理由

被控訴人主張の請求原因事実についてはすべて当事者間に争がない。しかし右事実によれば被控訴人の本訴請求は理由があり控訴人の手許不如意の主張は法律上意味がないので、控訴人は被控訴人に対し金四七、五三九円を支払うべき義務がある。

よつて被控訴人の本訴請求は正当として認容すべきであり、これと同旨の原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないので民事訴訟法第三八四条に則りこれを棄却し、控訴費用の負担につき同法第八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 川井立夫 裁判官 高石博良 裁判官 麻上正信)

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